ヒーリングニュースvol.88　画像診断を信じてはいけない！？

【DLPFC・背外側前頭前野】

脳の「DLPFC」とは前頭葉の一部を指します。

前頭葉は「記憶」や「考える」「判断する」などの役割を担っています。慢性腰痛の人は、この「DLPFC」と言われる場所の体積が健康な人と比べると極端に衰えていることが医学的に判明されています。このことから、「DLPFC」の衰えが慢性腰痛の原因の一つと考えられています。

そもそも骨や筋肉の異常によって炎症が起きると、その情報は神経を走る電気信号によって脳に伝えられます。すると脳では、「痛みの回路」が生まれ、人は「腰が痛い」と感じます。実際、原因があって痛めた腰部の炎症が治まっても、直ぐに興奮が落ち着かないこともあります。このときに、働くのが脳の「DLPFC」となります。

【どのような運動をすればよいのか？】

狭窄症、ヘルニアがあると基本体を後ろに倒すことが出来なくなります。でも、出来る範囲で後ろに倒すことにより、脳の「DLPFC」が怖さをやわらげ痛みが軽減してきます。

写真のように、腰とお尻の境目に両手の平を当て、顎を引いて、目線を下に下げ、顔を上げないようにおこなうのがポイントです。息を吐きながら３～５秒間保持を３回、一日何回やっても構いません。

【画像診断を信じてはいけない！？】

　腰痛は、「急性」「慢性」という分類とは別に、「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」という分類があります。前者は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、ケガなど、原因がはっきりとしているもので、全体の約１５％を占めます。

　残る８５％は、後者の「非特異的腰痛」、原因がはっきりしていない腰痛です。つまり、原因がはっきりしている腰痛の方がマレということになります！！

また、無作為に男女１０００人に膝関節のMRIを撮ったところ下の表の結果が出ました。

５０歳歳代　男性　３２％　女性　１９％

７０歳歳代　男性　５６％　女性　５１％

この結果は、半月板に損傷があると診断された方のパーセンテージです。５０歳代になってくると普通に生活していても徐々に半月板損傷がみられるようになってきます。７０歳代以上になると２人に１人に半月板損傷があると言われてきます。

また、男女７０歳代以上の方に、腰部のMRIを撮ると８０％の方に、腰部脊椎管狭窄症・腰部のヘルニア・坐骨神経痛があると言われています。その中でも、中・重度以上の症状に出ている方は、１０％ぐらいと言われています。

最近、当院に来院される方の中にも、病院で診察を受け、レントゲン、MRI、CTを撮ったりして先生からヘルニアや腰部の脊椎管狭窄症などの診断を受けてから来院される方が時々いらっしゃいます。

実際、来院された際に、脊柱管狭窄症、ヘルニアになると特有の症状が出てくるのが一般的です。

でも、動きをみると普通に腰が動く中で痛みを訴える方も少なくありません。画像上では、そのような結果が出ていても、実際の症状は、そこから出ていない場合が約９０％あることになります。